Archive   RSS   (Login)

to the unknown ground

ゆっくり、あるきはじめよう。 はじめのいーっぽ!!

Category: スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category: 海外登山

Mt.Aconcagua summit③

2014.1.15-2.2 /19days

day10 C1カナダ(5050m)→C2ニド(5550m)
day11 C2ニド→C3コレラ(5970m)→C2ニド 【荷揚日】
day12 C2ニド→C3コレラ
day13 C3コレラ 【アタック予定日 吹雪により停滞】
day14 C3コレラ 【アタック① トラバースにて撤退】



標高5050m、C1で1人の日本人の男の子に出会った
田口君、25歳
①
友達と2人でアコンカグアに登りに来ていて
友人は順応の為BCにいるそう

偶然にも田口君は、私が登山会社で働いていた時の友人を知っていた
山の世界は広いようで狭かったりもする

そんなこんなで意気投合した私達
うちのテントで3人でお茶会をして山話に花が咲く

彼は日本のあちこちの山小屋で働いていて、筋金入りのバリバリの山屋だ
若くしてネパールに何度も遠征に行き、ヒマラヤの高峰を狙っている
彼の話は羨ましいくらい眩しくて、生活の全てが山であって
山をやってる人なら誰もが憧れるような世界にいる


そんな彼との出会いはこれからの私達の運命を変えていく


1月24日、登山10日目
C1から荷揚げを済ませて、いよいよC2へ上がる
数日前に降った雪はかなり溶けたものの
今度は風と寒さのせいで凍ってきている
②

C2は見晴らしの良い広い平らな場所になっていて、
レンジャーステーションもあり、緊急用にヘリも止まれるようになっている
気温はC1に比べるとぐっと下がってテントの中の水が凍るようになってきた

標高は5500m、順調に順応してこれたけれどかなり息苦しい地点になる
目の前にはアコンの姿が間近に見えるようになった
③


夕陽に染まるアコンカグア
④

日が落ちるのは20時を過ぎてから
就寝する直前にこの景色を眺める
⑤

⑥


やっとここまで来れたなーと思うのもつかの間に
翌日はC3への荷揚日である

最終キャンプへは荷揚をしないでそのまま入る人も多い
アタックをC2から行う人もいるくらいだ
それでも私にとっては20キロ近い荷物を一度に上げるのは無理
ここも順当に荷揚げをして行く事にする

C3までの道のりは一気に傾斜が急になる
この日からアイゼンを装着し始め、
ジグザグに何度もつづら折になって高度を上げていく
雪がほどよく付いていて、中々歩きやすい
一歩ずつ、一歩ずつ
⑦

この日の私は調子が良く、今までよりもずっと楽に感じられた
まさかの6000mで調子が良い
水をガブ飲みしてる成果が現れたね
⑧
テルモス休憩中、余裕の笑顔!(びっくり)


最終キャンプ地、コレラ5970m
この時点で人生最高地点
てっぺんが近くて頂上付近に風が舞ってるのが良く見える
⑨
左側がアコンカグア山頂
⑳<


⑩

長い間続いた悪天候を待って
翌日の好天に備えて、多くのパーティーが最終キャンプに上がってきている

やっと見えた最後の道筋を確認して記録し、荷物をデポして早々にC2へ戻る


1月26日
C3へ上がる
前日から雪になり、頂上はガスに包まれている
早朝は極寒でテントの中の物全てが凍ってしまった
朝食を取ってテントを撤収するのに3時間もかかってしまう
厚手の手袋をした状態では何をするにも倍時間がかかる

この日は何故か前日とは違って、一気に高度障害が出てしんどい登りになった
しんどくてしんどくて、ヘロヘロになってC3へ到着した

前日に沢山いた人達がほとんどいない
皆今日アタックをしたみたいで、日本人の団体ツアーのアタックもこの日だったようだ
私達のアタック予定は明日だ

ヘロヘロの状態でテントに倒れこみ、放心状態で休む
同じ日程で田口君もC3へ上がってきて、かずと2人でルートの下見をしてる

そうこうしている内に周りは真っ白なガスに包まれて雪が降り始めた
雪はどんどん降って、夕方の時点でテントが半分埋まる程に積もった

アタックをするならば深夜3時にはスタートする予定
え?でもこの雪どーなの?ガンガン降ってますよ・・
当然写真なんか全く撮る余裕ありません
だってテント埋まりそうだもん

田口君とは一応止んでたら行く方向だねって感じで事前打ち合わせ


待ってみる

雪はどんどん積もって完全な吹雪になる

深夜24時
膝まで積もった雪の中、田口君のテントまで行く

両者揃って
「んんーーー、これはダメですねぇ」


翌朝27日、吹雪はおさまらずとてもテントから出れる状態ではなかった
テントは雪の重みでたわんでる

9時頃、田口君は友人が待ってるかもしれないから、とBCへ下って行った
私達もどうしたものかと思いながらもこの状態ではどうしようもなく、テントで待機する事に

と、しばらく待つ間に吹雪はおさまった

と、隣の空スペースに新たなテントが張られ
覗いてみると日本人の男の子がいる
声をかけてみると、なんと田口君の友人だった!!
⑫
友人の宮西君
なんとニアミスで2人は入れ違ってしまったのだ


順応の為しばらくBCに居た宮西君は最新の天気情報を知っていた
聞いてみると27日は降雪、翌28日と29日がベストのアタック日と言う事だった
山の天気はコロコロ変わる

気合を入れて翌日に備える
宮西君と一緒に3人で出発をする事にした

いよいよアタックをする時が来たのだ

⑬


1月28日、登山14日目
この日にアタックしようとしていたのは
現地エージェントのツアー団体、イタリアチーム、ポーランドチーム、他にも何組か居た
通常の出発時刻は5時、日本人団体なら4時だ

でも私は遅い、念のため私達は2時半に出発をする事に決めた

出発の朝
なんとこんな時に限って寒さで目覚まし時計が狂ってしまい、いきなり寝坊してしまった
-20℃近い中、着ていく物は多く
あちこちにホッカイロを張ったり、熱々のお湯を沸かしたりと準備は多い
フェイスマスクを付け、アイゼンを付け、やっかいなのはオーバーミトンだった
最後に手袋をするとは言え、三重の手袋をしてはストックをきちんと持つ事すら難しい

まだあちこちのテントが起床し始めた頃、予定より遅れてAM3:00に出発をした


誰もいない中で前日のトレースを探す
ゆっくりと慎重にヘッドライトの灯りだけで足元を探っていく

歩きはじめて30分
宮西君が装備を調整してから出直すと言う事でテントに戻っていった
経験豊富な宮西君が抜けて、この先は2人だけで行かなければならない
不安が混じる中、私が先行して歩いていく

焦って準備をしたからか、フェイスマスクが上手く合っていない
気温は想像より寒くてフェイスマスクのズレ一つが致命的なミスになる
直そうと思っても分厚いオーバーミトンが動かしずらい

それでも必至になって一歩ずつゆっくり歩いて目印にしていた大岩を目指していく
必至に歩いて、ちょっと進む度に振り返ってかずと状況を確認していく

プラスチックブーツのつま先が冷える
ホッカイロを張っていても全く分からないくらい

歩いて歩いて2時間程たってようやく辺りが白んできた
周りが見えるようになるとほっと一安心する
ただ夜明けと共に風が出てきたみたい
足元は地吹雪の様になっている


次の目印になるインデペンシア小屋が見つからない
トレースが分からなくなってあちこちを探し回る

しばらくすると下から何組か上がってきた
道はすぐ近くにあったのだ
30分程迷ったが、修正して先行したパーティーの後ろをついて行く

風はどんどん強くなって体の芯から凍るみたい


壊れかけた犬小屋みたいなサイズしかないインデペンシア小屋に到着する
標高は既に6400m
ほぼ先頭でここまで来れた、この時AM7:00
上を見上げれば雪が風に飛ばされて白い煙になってるのがよく見える

このインデペンシア小屋より先が
全長700mもの大トラバース地帯と、グランカナレータと呼ばれる傾斜40度の核心部になる

ハイキャンプ2

ここまで来た時点でかなり疲労困憊だったけれど、ここからが本番なのだ

あまりの強風に一行は皆小屋で待機をする
小屋からトラバースに上がる斜面はまだ新雪でラッセルをしなければいけない状態だ

先に行ったのはイタリアチーム
彼らを見送って、深い雪の中トラバースに向かって進む


上部へ出て驚いた
トラバース自体は斜度が変わらない平坦な道だけれども
BC側からの西風が強く、まともに立っていられない
耐風姿勢をとっても体が飛ばされそうなくらい
⑭

目の前にはもうアコンの頂が見えている

これは強すぎる
そう思って一旦小屋まで引き返す事にした

小屋まで戻ってみるとかずの体力の消耗が激しい
人2人がかがんで精一杯の壊れた小屋に入ってテルモスのお茶を飲む
お茶をコップに入れるのも、携行食を取り出すのも
一つ一つの行動が信じられないくらいに遅々としててしんどい

続々と上がってくるパーティー
皆、強風の中トラバースまで更に上がっていく

え?こんな強風でいっちゃうの?いけちゃうの?
さっき体感した風の強さに体は正直びびってる
かずもすっかり弱気になってる

私はと言うと、なんだか覚醒したみたいに高山病も吹っ飛んで
行くべし!!と興奮して体が前に前に勝手に進むみたいだった

やっぱり行くよ!!と腰を上げた時には最初に着いてから1時間以上も経ってた
その時既に何組もトラバースへと入っていっていた


再び上部に上がってみると変わらぬ強風
でも前を見るとみんな黙々と強い風の中を渡って行ってる
こんな中でも行けるもんなのか

いつのまにか他のパーティーの間に挟まれてぞろぞろとトラバースを歩いていく
雪は多いもののラッセルされた跡が綺麗で歩きにくくはない
延々とその列に挟まれて歩いていく
標高は既に6500mを越えているので一歩は重い


延々とトラバースを歩いて1時間程経ったとき
順調だった足は急に動かなくなった

寒くて寒くてたまらない
斜面にはまだ日が当たらず、変わらず風は強かった
多分低体温症に近い状態になったんだと思う
一瞬でこれはもうダメだって思った

これ以上は進めない

後ちょっとでトラバースを渡りきる所だった地点で
戻る事を決めた

「ここまで良くがんばったよね」と言うかずに
私は涙がポロポロ出た
ここまでかって思った瞬間に、まだ行けるって思った

けど体がもうもたなかった


戻ろうと思った時にはもう斜面に日が当たり始めた

⑮

あれだけ風が強かったトラバースは、急に風が止んだ

⑯

⑰


来た道を力なく引き返していく

歩きながら、どうしても涙が止まらなくて
悔しい想いがどんどん溢れる

これが100%やりきった結果なら納得がいく
でもそうは到底思えなかった

全ては寒さで体力を消耗した事だけど
その原因はあまりにも早朝に出すぎて寒さの中に長時間居たことだ
寝坊に焦り装備が完璧な状態でなかったのも、小屋に戻って時間をロスしたのも
判断ミスの要因がありすぎて

高度障害でも天候のせいでもない
この寒さによる体力の消耗は絶対に防げる事だった


「ここまで来れて良かった」とは思えなかった
思い出の為に登山してる訳ではない
登る為に、やりきる為に来たのだ
ミスがあって100%やりきれていないから、どうしてもそうは思えなかった

悔しくて、悔しくて
この時はかずの言葉に納得がいかなかった


登るうちにどんどん溢れてきた山に対する想い
それは自分が唯一信じれる志
綺麗にまとめられる言葉は出てこなかった

泣いて泣いてボロボロになって
最悪の下山路になった


⑱



私はこの時の気持ちを一生忘れないと思う
でもそう思える自分で良かったと思う

この気持ちがあるから
これからもきっと山を登っていけるだろうって、そう思う


⑲



スポンサーサイト

  « Mt.Aconcagua summit④  Mt.Aconcagua summit② »

Comments

Leave a Comment

07 | 08  (2017) | 09
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

GOEMON27

Author:GOEMON27
人が好き
旅が好き
山が好き
バイクが好き

そう、ずっと地球を歩きたかった。

人生の相棒と2人で
遥かなる大地へ

検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。