帰国から一年
to the unknown ground.
1115日間
53カ国
道いっぱいに行く手を阻むヤギ達からポロポロと大量の糞が落ちる
ロウソクの灯りだけの部屋で買ってきた果物をナイフで半分こする
むき出しの広い荒野の中でポツンと現れるダチョウ
ボロボロになったスキッ歯でニカっと笑う怪しいおっちゃん
何百人の人達が同じ場所に集まって、ただ一心に祈りを捧げる
カラっカラの埃まみれの中で見つけた全く冷えてないスプライト
見知らぬ子供達とぎゅっと手を繋いで、ぎゅっと熱いハグをする
目が悪いけどそれでもびっくりするぐらい見える星の数
トントントンとソムタムの壷を叩く音で目を覚ます
見渡す限りの地平線に落ちていく強烈な赤のバカでかい夕陽
記憶はいつまでも消える事なく
小さな欠片になって日常をふわふわ漂ってる
1年の時間はあっという間で
エアコンが無くてカビが生える家は気づけば落ち着く場所になって
かずの髭がもじゃもじゃに生える事も、
ジャガイモみたいにボロボロの日焼けをする事もなくなって
産まれたばかりだった甥っ子はすっかり歩き始めて幼児になった
冷蔵庫の中身を見て献立を考えて、
明日はゴミの日だっけ?って考える
平和で穏やかな事は間違いないんだけど、
電車に乗る為に5分単位で時間に追われる生活は息苦しい
昨年、私達の旅をまとめた写真展を開催する機会があった
3年間で撮り貯めた写真は5万枚
その中から選んで選んで選び抜いた30枚の写真達は
今も我が家の壁を鮮やかに飾ってくれてる
写真を引き伸ばしてパネルに張って、眺めて
初めて記憶だった旅がカタチになった
日が暮れてからその日の宿を必死に探していた生活は遥か遠い昔みたい
でも、どこで暮らして、どうやって生活してても、
「地球で生きてる事」は、みーーーんな一緒。なんだなぁ
ただ間違いなく言えるのは
「丸い地球は全て同じ環境ではない」って事
それを私達は知った
この地球には
肌の色も宗教も文化もお金の価値観も違う人間が居て
熱かったり寒かったり、
緑だったりカラカラだったりの大地があって
動物達もその環境に応じて容姿を変えていた
色んな人が居て
色んな自然があって
色んな「生きる」があった
前よりずっと「生きる」という事を考えるようになった
これから二人でどうやってどこで生きていくのか
それを語り合えるパートナーがいるって、
本当に幸せな事だって思う。
迷ったら時、寝っころがってみたら何か見つかるかもしれない
暇だったら何か楽しい事をやってみたらいいだけの話
結局は荷物なんて背負えるだけのモノしか必要じゃない
生活する空間もそんなに必要じゃないし
多分普通の人の30年分の夫婦の時間を、私達は一緒に過ごした
だから最近なんてもう「アレ」だけで会話が出来ちゃうもんね
もうすっかり老夫婦の域に達してる
わっはっはっは。
人生はまだまだ長い
どうしようかって迷った時は
手を取り合って、手を差し伸べる事を忘れないようにしよう
このでっかい地球の上で、最大限に生きていけるように
山岳民族の村で静かに暮らしたいな~
どっかの村で暮らしたくない?ってかずに聞くと
そうでもないなーってかずは言う。
そうか、、、
それは残念だ
うーーーむ。
さてっと
どうするかな
地球の色と音と匂いを
これからも感じながら生きていきたいな
人生はまだまだ長いのだ。
楽しもうじゃないか
精一杯に。
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